保険の基礎知識

生命保険(死亡保険)の選び方について

生命保険の中で、不慮の事故や病気などで万一亡くなったり、高度の障害状態になった場合の備えとしての役割をもつのが「死亡保険」です。
この死亡保険も実はいくつかの種類があります。色々な種類があって頭がいっぱいになりそうですが、ここでも少し整理をしながらご自身に合った保障の選び方をご紹介したいと思います。

死亡保険を選ぶときの手順

死亡保険の選び方は、分かりやすくまとめると以下の「1~3」の流れになります。

  1. 「何のために(誰のために)」保障が必要なのか、目的を確認する
  2. 「保障が必要な期間」と「保障の大きさ」を確認する
  3. 自分のニーズに合う、死亡保険の商品を選ぶ

1.「何のために(誰のために)」保障が必要なのか、目的を確認する

保障内容を考えるときは、「保障の目的」を明らかにすることが大切です。
人によって、年齢や家族構成、将来の夢、そして今の生活環境も違いますから、備える目的も異なって当然です。そのため、ネットなどで他の人の事例を参考にして保障を選ぶと、過不足が発生してしまうこともあります。

自分に合った保障を選ぶためにも、現在の状況を踏まえながら、何のために保障が必要なのかを明確にしておきましょう。

  • 「残された家族のために」生活費の準備をしておきたい
  • 何かあっても、「子どもの養育費・教育費のために」備えておきたい
  • 「家族に迷惑をかけないよう」葬儀にかかる費用くらいは自分の保険でなんとかしたい

…など。

2.「保障が必要な期間」と「保障の大きさ」を確認する

目的がはっきりしたら、次は保障が必要な「期間、保障の大きさ(保障額)」について考えていきましょう。

ポイント:保障が必要な期間についての考え方

1で確認した「何のために(目的)」が、保障を必要とする期間を割り出すためのポイントになります。
たとえば

  • 「子どもが成長するまで(独立するまで)」の間
  • 「退職時期まで」に老後の資金を準備しておきたい
  • 葬儀費用などを「生涯」において準備しておきたい

など、「何のために」が明確になると、どのくらいの期間を備えておかなければいけないのかが明確になってきます。

ポイント:必要な保障の大きさを計算する方法

期間がきまると、その期間内でいくらくらい備えておかなければいけないのかという「万一のときの保障の大きさ」の目安を算出することができます。その目安の計算方法は、

「A.必要な費用」-「B. 国・会社から受けられる公的・民間の保障額」 です。

  • A.必要な費用
    …家族の生活費・子どもの教育資金など「目的」「期間」より算出した額
  • B. 国・会社から受けられる公的・民間の保障額
    …公的保障(遺族年金など)や、企業からの死亡退職金などご自分での備えとは別に受けることのできる金額

目的が決まれば備えるべき期間が決まり、その間に必要な保障額を出すことができます。
そこから、国や会社から受けられる保障などを差し引いた金額が、備えなければいけない金額の目安になります。貯蓄額なども踏まえて考えていくと、より現実的に備えなければいけない金額を出すことができます。

3.自分のニーズに合う、死亡保険の商品を選ぶ

目的と保障期間・保障の大きさが決まったら、いよいよそれに合う保障を探すことになります。
詳しくはこれから、「死亡保険を選ぶ時のポイント」と「保険料を比較的おさえるためには」にてご紹介しますが、重要なのは、やはりご自身のライフプラン。

保険の種類や金額を選ぶのではなく、ご自身のライフプランをしっかりと考えて、そこに何が必要になるのか、どう備えていくのかを考えることが保険選びの重要な考え方になります。

死亡保険を選ぶ時のポイント

保険料をおさえて、保障を大きくしたい方は「定期保険」「収入保障保険」

お子様が生まれた、または成長期のご家庭は、手厚い保障を希望される方が多いでしょう。
そんな時の備えに向いている保険は「定期保険」、「収入保障保険」です。

終身保険よりも、保険料が比較的安くおさえられ、かつ大きな保障を持つことができる保険商品です。
子育て期間など、一定の期間は保障を手厚くしたいといった場合に活用できます。家庭を支える人に万一のことが起きた場合を考え、残されたご家族が困らないように、生活費などに備えましょう。

生涯の保障がほしい方は「終身保険」

生涯の保障がほしいという方は「終身保険」がおすすめです。文字の通り「終身=生涯」なので対象の方がいつ亡くなっても保障を受けることができます。

終身保険は払込期間が満了した後も保障を受けられますが、解約払戻金がある点もポイントになります。解約すると以後の保障は受けられませんが、解約した際にいくらか払戻金が発生するので、その資金を老後の生活費などに活用することもできます。

保険料を比較的抑えるためには

保障はしっかりと、支払う保険料はなるべく安く。それは誰しもが思うところ。しかし保障を充実させると保険料は高くなり、反対に保障内容を薄くすると保険料が安く抑えられる傾向になります。

そのため、保障を充実させるべきなのか、保険料を安くしたいのかも検討が必要なところになります。
保険料を抑えたい場合のポイントは

  1. 満期金はいらない
  2. 解約払戻金がない、もしくは少なくてよい
  3. 一定期間だけでよい

という点を踏まえて考えると、比較的保険料を安く抑えながら、保障を受けることができます。
ただしデメリットとして全期型よりも最初のころの保険料が安く抑えられますが、更新をむかえるたびに、更新時の年齢で保険料が再計算されます。

まとめ

自分で「保障を備えたい目的」がはっきりすると、「どのくらいの期間必要か」が決まり、期間であれば「このくらいの保障が必要」というところもはっきりしてきます。

死亡保険はたくさんの商品もありますので、ぜひ保障を考える際の参考にしてください。

「何のために備えたいのか」、「いつまでの期間・保障はどのくらい持ちたいのか 」を考えながら、自分に合った保険商品を選びましょう。

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